(Bくん)

ある日の事です。Bくんが公衆電話で話していると、頭にキングコブラをまきつけ、うでに赤い紅しょうがをつけ、黒の全身タイツを着たじじいが電話ボックスのガラスをぐわんぐわんたたいて来ました。
そして無理矢理ガラスをわって、手を入れてきて、Bくんの頭をわしづかみにして、こう叫びました。
『あーはーはァーはは』
じじいのもう片方の手には、Aくんの頭がにぎられていました。
Bくんは、ありったけの力をふりしぼり、電話ボックスの天井を突き破って外に血まみれで飛び出してきました。
『にがすかァ!!』
じじいは白目をむき、BくんめがけてAくんの頭をぶん投げました。
しかし、Bくんは陸上部のキャプテンだったので、くるくる回りながら飛んで来る頭をよけながらこう言いました。
『俺の頭が欲しいのか!?』
しかし、じじいは答えません。
まっ青な顔とまっ白な目とまっ赤な口で、いつまでもいつまでも不気味にほほ笑んでいました。
次の瞬間、じじいの答えが出ました。
『あががーうががーけーっけっけェーっ。』
あれから三年・・・Bくんは、さびれた街のかたすみで、白目をむいたまま、とろける様な表情で、ブルブルとたたずんでいました。

(完)