奴はヒーロー

とうとう悪の父、ビヘイビアリズムは四千年の眠りから目覚めてしまいました。
ムシャヒディン族の民衆は皆泣き叫ぶばかりです。
しかし一人の若者は違いました。
彼は何たって勇敢なヒーローです。
「伝説ではビヘイビアリズムは首が弱点だ!!奴は四千年掛けて首を寝違えているんだ。首に決まってる!!」・・・そうブツブツ言うと、彼は「シュバー!!」と叫んで飛び上がりました。
手には溶けたソフトクリームと、生ぬるい御飯を握り締めています。
泣き叫んでいた民はみんなして彼の方を見つめました。
そして・・・「俺達も出来る事がある!!彼を応援しよう!!」と団結し、全員で手を繋いで高速回転をし始めました。
ヒーローは痛く感動し、「シュバー!!」と叫ぶのも忘れて「おーい、僕の君タチーー」と手を振りました。
すると、彼の手からソフトクリームと生ぬるいお米粒が落ちてゆき、民衆は汚くなりました。
汚い民衆は「僕の君タチ」ではありません。
ヒーローはすっかりやる気を無くし、おうちに帰ろうとしました。
しかし、汚い民衆は既にヒーローをヒーローと思わなくなっていたのです。
だって汚いの嫌だもん。全員が彼に向かって石や硝子を投げました。
血だるまで落下してきたヒーローに民衆は群がり、髪をむしり始めました。
そこで全員で力をあわせ、ビヘイビアリズムの口にヒーローを押し込みました。
ビヘイビアリズムは大変驚いたそうです。
どうでもいい話ですが、彼の弱点は首じゃありませんでした。
しかし、彼はお米粒の様な細かくて粒々のものは大嫌いでした。そうです。
口に押し込まれてしまったヒーローは、髪をむしり取られた時に、民衆にかかったお米粒がくっついてしまったのでした。

ビヘイビアリズムは痙攣しながら倒れました。
ヒーローは口に入ったままでしたが生きていました。
勝利の喜びに浸ります。
しかしビヘイビアリズムは痙攣のためか、この後口をもぐもぐさせてしまうのです。

つづく。