病み夜の笑い蟲

赤い緑のお城は血の涙で溢れていました
背中に突き立てられた目と鼓膜に植え付けられた音を洗い流す為です
どんなに壊れても映写機は動かして見せます
死斑だらけの 顔 顔 顔
こうしてまた一つの細胞が変わり果てて行くのです

外に出て見た空は詐欺師にしか見えません
人に会い聞いた声は罵倒にしか聞こえません

赤い緑のお城は死の光で埋もれていました
脳に書き込まれた暗号と無理に捻じ曲げられた腕を切り捨てる為です
どんなに塞いでも蓄音機は聴かせて見せます
失笑だらけの 口 口 口
こうしてまた一つの細胞が崩れ堕ちて行くのです

朝を迎え鳴く鳥は玩具にしか見えません
夜を称え降る雨は子守唄にしか聞こえません

夜を称え降る雨は子守唄にしか聞こえません