昔のフロッピーの中身をぶちまけてやる

中学生の時に書いてた途中で終わってる変な小説
後半明らかに幻影旅団のパクり

ていうかこれ読むの恥ずかしいようわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!111111111111111111111111111

「綺離子」

本来ならばこの国は平和なはずだった。
あの出来事さえ起こらなければ・・・。

その日も朝食は林檎一個と牛乳一杯だけで、頭が上手く働かない。因数分解なんてチンプンカンプン。
今の脳の状態は勉強に適さない。
何気なく右隣に座っている子の手元を見てみた。
彼女は十問あった問題を、当たり前の様に全て解いてしまっていた。
こんな幾何学的文字の集合みたいな物に、何の意味があると言うのか。
あたしは、只見ているだけで息が詰まりそうになるこの文字と、まるで操られたかの様に目的もなく、与えられた問題をひたすら解いていく人間達に何かしら恐怖を覚えた。
まぁ、そんな事を考えていても仕方ないし、少し眠ろう、と目を閉じたその時、硝子が割れる様な音が教室内に響いた。
「うわぁー!誰だお前は!」
あたしは何が起きたのかさっぱり判らないまま、声のする方に目を向けた。
女がいる。
一人の男子生徒の机の上に、緑色の肌、緑色の髪、緑色の服を着た、どう見てもこの世のものではなさそうな格好の女が、無表情のまま立っていた。

「ワタシは綺離子という者です。人に名を尋ねる前に自分の名を言ったらどうです?」
さっきの男子生徒は、腰を抜かして椅子から転げ落ち、打ち所が悪かったらしく、突然笑い出した。
「どうしたんだ。」
「誰だこの女。」
クラス中が大騒ぎになった。
逃げようとして足を滑らせて転ぶ者、素早く机の下に隠れる者、冷静さを保てなくなって窓から飛び降りようとする者、只呆然と立ち竦む者、いきなり椅子を振り回す者・・・。
あたしはと言うと、その綺離子と名乗る女を観察していた。よくよく見てみると、全身緑という訳でもないらしい。頭に鉄で出来た数珠の様なものが巻き付いていて、それは銀色に光っていた。
「何か?」
目が合ってしまった。いきなり言われても何を答えていいのか判らない
「アナタ、名は何というのです?」
「あ・・・あたしは王澤可古です・・・。」
つい答えてしまった。
「王澤可古・・・きっとまた会うでしょう。クス・・・。」
綺離子が飛び降りた。三階の窓から。窓の下を見ようとする者は誰もいなかった。
クラスの何人かは救急車で運ばれていった。その中、一人だけ霊柩車で運ばれた生徒がいた様な気がした。
あたしは教室を出た。みんな正気に戻ってくれないし、こんな気味悪い所にいつまでもいたくない。
空が何処と無く赤味を帯びていた。風が止み、雨がザアザア降って来た。

可古はやっとの事で家にたどり着き、落ち着きを取り戻すためテレビをつけた。一見、落ち着いている様に見える可古だが、実際はかなり動揺しているのだ。その証拠に、リモコンを持つ手が微かに震えていた。毎週金曜日に決まって現れる、鼻が詰まった様な聞きづらい声をしたニュースキャスターがブラウン管に映し出された。
天皇陛下が暗殺されたらしい。今日、午前十一時ごろに発見されたという。窒息死だそうだ。
可古はこういったニュースには興味がない。只、ボーッと画面を眺めているだけだった。だからニュースの内容は大して覚えていない。
「可古!」
突然呼ばれて足の上にリモコンを落としそうになった。
かなり聞き覚えのある声。
「おかえりー。」
「おかえりじゃないよ。ニュース見なかったの?」
「え?ニュース?あぁ見た見た。高齢化社会が進んでるんだっけ?」
「あのねぇ・・・あんた本当に見たの?アタシが言ってるのは天皇陛下暗殺事件の事だよ。」
「え?何それ?知らないよそんなの。」
「知らないの?まぁいいわ。照亞高校に変な女が侵入したって聞いたからさ。」
「・・・確かに来たけど・・・誰に聞いたの?」
「いや、聞いたって言うより、照亞中学の生徒が話してるの聞こえただけなんだけどさ。」
「・・・あの人、自分のこと綺離子って言ってた。多分あの人人間じゃないよ。全身緑色で、三階から飛び降りてたし。あ、でもそれと天皇陛下暗殺とどう関係があるの?」
「・・・・・・・・・。」
「芭澄?」
「可古。その女、他に何か言ってなかった?」
「え?あー・・・そういえば『また会うでしょう』って・・・。」
「・・・綺離子・・・緑色・・・・・・暗殺・・・・・・」
「どうしたの芭澄?さっきからおかしいよ。」
「『黒椿』・・・!」
「可古。そいつは黒椿だよ。」
「クロツバキ?花?」
「黒椿っていうのは暗殺団の名称よ。」
「!」
「黒椿は残忍で冷酷な人間の集まり。そして、リーダーの名前は綺離子・・・。可古が会った女は間違い無くそいつね。」
「じゃあ、また会うってのは・・・いつかあたしを殺すって事?」
「判らない。でも、きっとまた黒椿は現れる。天皇陛下を殺したのも多分黒椿だろう。」
「あれ?そういえば、なんで芭澄が黒椿の事知ってたの?」
「・・・・・・・・・双子の妹が殺されたの」

双子の妹の名前は妃波。十年前、芭澄と妃波が縁側で絵を描いて遊んでいた時、突然真っ黒なマントに身を包んだ性別不詳の怪しい人間が現れた。そいつはまじまじと二人を眺め、黒光りした大きなトランシーバーをポケットから取り出した。
「あ、綺離子?桐椛妃波を発見しました。どうしましょう。」
「・・・・・・了解。」
声からしてこの怪しい人物は女性のようだ。
女が近付いて来る。
鈍い音がして辺りが赤く染まる。
女は倒れている妃波を連れて立ち去ってしまった。

「芭澄・・・妹いたんだ・・・。」
「でもなんで今頃になってから出て来るんだろう。何か目的があるんだろうけど。」
二人は黒椿の目的を考えてみた。しかし、時間だけが過ぎていき、何も思い付かなかった。可古はそろそろ眠くなって来ていた。
「妃波は本当に死んだのかな。」
「え?」
「あの時、妃波は確かに攻撃された。でも、あれは只気絶していただけなのかも知れない。」
――実は何処かで生きてるかも知れない――
「ねぇ、妃波を探そうよ。なんか最近、町中おかしいし、こんな所に長居は無用だよ。芭澄は黒椿の事もあるし。復讐のチャンスかもよ。」
「復讐は別にどうでもいいけど、妃波を探したいのはアタシも同じだよ。」
こうして、新たな物語が始まるのであった。命懸けだとも知らずに・・・。

「ねぇそういえば今回の仕事って何なの?」
「知らん。」
「あたしは杜若じゃなくて綺離子に聞いてるんだけど。」
「ソレニシテモアノ天皇陛下ハ本当ニ往生際ノ悪イ奴ダッタネ。国民ノ税金ヲ全部自分ノ化粧品代ニ使ッチャッテサ。ソンナニ好キナラ化粧品ヅケニシテヤロウト思ッテ首根ッコ摑ンデ香水ノドニ流シ込ンデヤッタラギャーギャー叫ンデサ。ウルサイカラソノママ窒息サセタケド。」
「アハハ そりゃ苦しいわ。」
「――で、仕事は?」
「皇室を全滅させ財産を奪う。」
綺離子が薄笑いを浮かべながら言った。
「・・・・・・!」
「天皇陛下の方は薊が殺ったから残りは約十人いる。ワタシ達なら数分で全員殺れるけど・・・それでは折角の楽しみが無くなってしまう。」
そこにいる全員の目の色が変わった。
「仕事は焦らずゆっくりやりましょう・・・。」

翌日、可古と芭澄はそれまで住んでいた町を出た。照亞中学校の一部の生徒はもう手後れだったらしい。

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